お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
「はい!大丈夫でした!」


そう答えると、チェッと小さく舌を打つ。

まるでケガしなかったのが残念なのかと思えて、そんなに何度もケガなんてしないよぉ~、と心の中で訴えた。



オーダーはドクターに任せた。
出来ればミートソースのパスタは避けて下さい、と言うと何故かと聞くもんだから__


「実は昨日の夜がそれで…」


そう話せば、もっと早く言えよ、と呟く。


いや、そっちが何も聞かずに連れて来たんでしょ!?
こっちに言われても困るんですけど!?


文句の一つも言いたいけどヘラッと笑って我慢した。
ドクターは仕様がねーなと呆れ、ピザのセットをオーダーしてくれた。



「すみません」


お気遣い頂き、ありがとうございますの意味で頭を下げた。
彼は別に…と答え、グラスの水を飲み干してる。


「そう言えば、お昼に原さんが言ってたことですけど…」


声をかけると目を向けられる。
それに少しだけ気後れしつつも、エリナさんともう一人の美女について話を振った。


「私の勘違いというのはどういう意味ですか?」


< 174 / 203 >

この作品をシェア

pagetop