お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
「…あっ!」

「そうだ!」


二人でほぼ同時に叫んで顔を見合わせる。
このお目目パッチリな目元と白い肌。
そして、高い鼻と赤くて血色のいい唇。

白雪姫みたいだと揶揄われてた同級生にそんな人がいたような。
それでもって確か名前が___


「藤田くん!」

「川島さん?」


キャー!と言いながら立ち上がる。
誰かと思えば中学時代の同級生じゃん。


「どうして此処に?…ってそうか、此処が藤田くんの自宅なんだ」


そう言えば聞いたことがある。
お父さんが開業医だって。


「そう言う川島さんこそどうしてって…そうか、怪我してんのか」


右手のガーゼに気づいたっぽい。


「そうなんだ。実は膝もケガしてて」


そう言いながら指差すと彼は唖然とした顔つきで。


「どうしてそんなにあちこち?」


「それはもう話すのも面倒くさいんで」


省かせてと願うと藤田くんは顔をクシャと緩めた。


「変わらないね」


そういう大雑把なところと言われ、どんな印象を持たれてるんだと思ったけど。


「なんだよ、お前ら知り合い?」


横から邪魔をする声に気づいて振り向く。

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