お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
きゅっと握りながら自分が言った言葉を振り返り、あの毒舌な人に甘い言葉なんて囁かせることが出来るの?と思った。


「無謀なこと言ったかも」


でもスッゴく悔しかった。
一度でいいからあのドクターに甘い言葉を囁かせてみたいと思った。


「……あの人、本当に藤田くんのお兄さんなのかな」


血の繋がりないんじゃない?とボヤき、また一層歩き難くなった足を引きずりながらオフィスへと向かった。
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