お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
昨夜の話を半信半疑のまま考えてた。
ドクターは私の顔を睨み付け、ほっとけ!と言い返してくる。


「別に誰に嫌われてもあんたには関係ないだろ」


「関係ないですけど、私はドクターに甘い言葉を囁かせると言いましたし、それには先ず、その話し方を修正するべきかなと思うんで」


「要らないお節介だ」


「お節介でもドクターの為に言ってるんです!」


「患者は大人しくしてろ」


「いーえ!イヤです!」


投げ掛け合う言葉を聞きながら原さんは頑張って〜!とエールを送る。
ドクターはそれを聞いてどっちの味方なんだと呆れ、処置が済んだらさっさと出ろと言いだした。


「明日はもう来るなよ。それから金曜日には抜糸をするからな」


抜糸も好きそうなドクターは左足と右手以外はもう水に浸けても大丈夫だと言った。


「やっとお風呂に浸かれる〜!」


シャワーだと寒かったんですよねーと言うと、お湯が掛からないようにしろよと注意された。


「はいはい。分かってますよ」


あっかんべーと胸の中で舌を出す。

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