お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
あくまで治療。
お礼参りじゃありませんから。
「……少しお待ち下さい」
ブツッ…とインターホンが切れてしまう。
このまま知らん顔されるのかと思っていたら、ガチャリと鍵の開く音がした。
(おっ…)
シャーッとドアの向こう側に引かれたカーテンが開き、紺色のカーディガンを着たナース姿の女性が現れた。
「傷を拝見させて貰えますか?」
手動に切り替えたらしいドアを開け、こっちの顔を窺う。
「ああ、はい」
コレです…と言いつつピラッとスカートの裾を捲ってやった。
看護師さんは膝を折ってしゃがみ込み、目を細めて観念した。
「……ドクターに聞いてみますので、どうぞ中へ」
有難いことに肩も貸してくれる。
大丈夫ですか?と心配もされた。
(さすがは白衣の天使!)
神様か仏様にも見えてくる。
私を待合室の椅子に座らせると、看護師さんは少々お待ち下さいと言い残して立ち去った。
誰もいない待合室にはアルコール臭が立ち込めていた。
拭き上げられたばかりであろう椅子はテカテカに光り、本棚の雑誌類は整然と整えられてある。
お礼参りじゃありませんから。
「……少しお待ち下さい」
ブツッ…とインターホンが切れてしまう。
このまま知らん顔されるのかと思っていたら、ガチャリと鍵の開く音がした。
(おっ…)
シャーッとドアの向こう側に引かれたカーテンが開き、紺色のカーディガンを着たナース姿の女性が現れた。
「傷を拝見させて貰えますか?」
手動に切り替えたらしいドアを開け、こっちの顔を窺う。
「ああ、はい」
コレです…と言いつつピラッとスカートの裾を捲ってやった。
看護師さんは膝を折ってしゃがみ込み、目を細めて観念した。
「……ドクターに聞いてみますので、どうぞ中へ」
有難いことに肩も貸してくれる。
大丈夫ですか?と心配もされた。
(さすがは白衣の天使!)
神様か仏様にも見えてくる。
私を待合室の椅子に座らせると、看護師さんは少々お待ち下さいと言い残して立ち去った。
誰もいない待合室にはアルコール臭が立ち込めていた。
拭き上げられたばかりであろう椅子はテカテカに光り、本棚の雑誌類は整然と整えられてある。