九魂猫骨董品店

それから数日、蛇神様の彫刻は私の部屋に大切に飾られている。
酒を飲みながら毎日の様に。

日々の愚痴から少しの幸福、なんでも話した。
それからの日々はとても充実している。

この物忘ノ神は未だ健在なんだろうなと思い、
私は感謝を込めて過ごしていた。



だが、ある日にひょんな事から色恋沙汰に疎い私にも
彼女と言われるものができた。
とても愛らしく、ころころと表情を変える彼女は
私の心をいとも容易く掴む。

いつの間にか私は蛇神様よりも彼女との時間を優先し、
蛇神様は棚の中に仕舞われた。

最初の頃は報告しつつ酒を飲んでいたが、
最近は全くだ。
最後に話したのはいつだったっだろうか?
そう言えばどこで買ったんだろうか?
考えてみたが思い出せない。
年だろうか?まだそんな年ではないと思うが…
そう思い布団に潜った。






翌朝、目を開けたら見知らぬ布団の上だった。



見知らぬ部屋。



見知らぬもの。



ここはどこだ?





私は誰だ?










わたしは






ワタシハ














ダレ?








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