気付けば、君の腕の中。


よ、よかったあ…。

本当は自分で電話をして、桃を呼んだらよかったんだけど、どうしても気まずかった。

…それに“仲直り”をするなら、折角協力してくれたこの場所でしたい。


「当日はケーキも作ってくるから楽しみにしててね」

「ケーキ!??」


あたしの服を掴んだ白くんが、嬉しさのあまり揺すってくる。

ぐわんぐわんと揺れていると、あたしの頭の上にぽすんと袋が乗っかった。


「…ん、買ってきた」

「あ、陰輔くんありがとう。こっち座る?」

「おー」


隣に座布団を置くと、がしがしと頭を掻いて座った陰輔くんは眠そうだ。


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