気付けば、君の腕の中。
テントに近づくと、陰輔くんがメンドくさそうな顔であたしを睨んでいた。
「ご、ごめんね…? その、みんなで参加すると楽しいかなあって」
「…まあ、いいけど。それよりあのガキ、めっちゃ速いな」
今、トップを走るのは白くんだ。
物凄い勢いで跳び箱に乗って、そのままクリアしていく。
後ろに続くゆうきくんも負けないくらい、足が速い。さすがはあたしが鬼ごっこで鬼をやっても掴まらないわけだ。
『おっと、一ノ瀬くん! どんどんスピードを上げていきます!!』
何だかんだで清水さんもノリノリで、実況を楽しんでいる。
そしてようやく白くんのバトンが、ひなちゃんに手渡されると、女の子二人の対決となった。