雨の降る世界で私が愛したのは
一凛は空になった硝子とっくりを持ち上げほのかを見た。
ほのかはうんとうなずく。
一凛は立ち上がり備え付けの部屋の電話で追加注文する。
少しよろけて酔ったかな、と一凛は自分の頬に手をあてた。
「なんか結局さぁ」
ほのかは横座りしていた足を伸ばした。
「恋って相手の男をどれくらい自分が好きになるかだよね。愛されるだけなんて退屈。あーあ、すべてを投げ出してもいいくらい恋させてくれる男いないかなあ」
ほのかも酔ったのかいつもより饒舌だった。
時計を見るとまだ午後三時過ぎだった。
どうせあとは帰るだけだ。
電車の中で寝ていれば着く頃には酔いも冷めるだろう。
「ほのかのツインソウルはまだ見つかってないの?」
一凛を見たほのかの目は心なしかとろんとしている。
「まだ。もしかしたら今世では会えないかも知れない」