雨の降る世界で私が愛したのは
本当は彰斗が彼女と来る予定だったのが直前になって喧嘩別れしてしまったのだそうだ。
すでにかなり酔っている彰斗とほろ酔いのほのかは意気投合し、四人で一緒に呑もうということになった。
彰斗の予約した部屋を一通り見てまわり外の露天風呂から帰ってきたほのかは「気合い入ってたんだね、彰斗」といつの間にか勝手に呼び捨てにしている。
「もう、今日は呑むぞ呑むぞ呑むぞ〜」と拳を振り上げる彰斗と一緒に「イェイ、イェイ、イェイ」とほのかも手を上げる。
「颯太さんはお酒はもう飲まないの?」
さっきからお茶の入ったペットボトルを口に運ぶ颯太に一凛は訊ねる。
「酒は飲まないことにしてるんだ。いつ仕事で呼び出されるか分からないからさ」
颯太が第一希望の大学の医学部に合格したところまでは一凛も知っていた。
「仕事って」
「うん、今は大学病院の救急外来にいる」
そこで彰斗が二人の話に割って入ってきた。