雨の降る世界で私が愛したのは
分かりました、絶対に颯太には言いませんと胸を張る彰斗は結婚したらきっといい夫になるだろうにと、見たこともない彰斗をふった彼女のことを思った。
「残念だなぁ、颯太には一凛さんみたいなしっかりした女性が必要なのになぁ」
そう言ってすぐに彰斗は、
「あ、いえすみません。別に颯太の今の奥さんの悪口じゃないですけど」
とつけ加えた。
一凛の沈黙をうなずきと捉えたのか彰斗は話し始める。
一凛も颯太の結婚生活が気になっていた。
「察してるとは思いますが颯太、結婚生活うまくいってないんですよ。もう離婚しちゃえばいいのにな、子どももいないんだし」
そう言って突然彰斗は黙ったが、やがてまた話し出した。
「子ども、いたんですよね実は一人。
颯太は救急に行く前までは産婦人科にいたんですよ。
颯太の子どもは一年もしないうちに亡くなりました。
重度の障害を持った子だったんです。
颯太の子は俺が取り上げました。