雨の降る世界で私が愛したのは
ほのかは学年が上がる毎に彼氏を毎年リニューアルする。
「わたしのツインソウルを探してるの」
ほのかは数年前からスピリチュアルにはまり、ツインソウルという自分の魂の片割れ探しにやっきになっている。
バス停にはすでに数人が並んでおり、その最後尾に一凛と颯太は並ぶ。
「一凛ちゃんはもう進路決めた?早過ぎて悪いことはないからさ」
一凛たちの通う高校は県内でもトップクラスの進学校だった。
「そうですよね」
一凛は曖昧に答える。
一凛はまだ自分が将来何になりたいか分からないでいた。
横に立つ颯太を傘の影から盗み見る。
それに颯太とのこともこのままではいけない。
ちゃんとしなければ。
でもちゃんとするって?
一凛は自問自答する。
それは一応つき合っているのだからそれらしく手を繋いだり、そしてキスしたりとか。
一凛は思った。
わたしはこの人と本当にそんなことをしたいと思っているのだろうか?