雨の降る世界で私が愛したのは
「あー!彰斗」
ほのかが大声を上げると彰斗はくるりと振りかえり
「でっしょー!」
と親指と人差し指でほのかを指差した。
淡いピンクの壁に同じ色のカーテン、優しいピンク色に囲まれると気持ちも同じように優しくなる。
「気分はどう?一凛ちゃん」
ピンク色のカーテンの隙間から颯太が顔を覗かせた。
「ええ、だいぶよくなった。颯太さんも忙しいのにごめんなさい。また迷惑かけちゃって、お友だちの彰斗さんにもお詫び言っておいてね」
ベッドに横たわった一凛の腕に点滴の管が繋がっている。
「いいんだよ彰斗は、俺けっこうあいつに貸しあるんだ」
颯太は笑った。
助手席に乗り込んできた彰斗は、未だに別れた彼女と復縁を迫っているがなかなか上手くいかないとほのかに嘆いたが、一通り話し終えると落ち着いたのかこんなことを言い出した。