この恋は、きみの嘘からはじまった。
にぶい音がしたからけっこうな強さだったと思う。
杉山くんは涙目になりながら頭をさする。
「桃瀬ちゃん、悪いんだけど司借りてくね。
そろそろ準備しないとだから」
「あ、うん。
どうぞどうぞ」
「え、軽くない?
俺が行くこと、そんなに寂しくない?」
「えぇ!
そ、そうゆうわけじゃないよ!!」
だって司くんは劇をするんだもん。
時間厳守に決まってるよね。
開演時間も決まってるから間に合わせなきゃいけないし、衣装に着替えたり髪をセットしたりメイクしたり、最終チェックだってあるかも。
そんな人を引き止められないよ。