この恋は、きみの嘘からはじまった。




過去の自分に。



過去の恋愛に。




好きだった人に。






ゆっくりと顔を上げた小野寺くん。



付き合っていたころとは身長も髪型も顔立ちも変わっている。




あのときから私も変わった。








「好きだよ。
琴乃のことがずっとずっと好きだ。
忘れたくても忘れられなかった。
諦めたくても諦められなかった」





真っ直ぐに伝えられた言葉に、心がチクッと痛む。


その小さな痛みは奥底まで刺激して、何重にも鍵をかけてしまった気持ちに届く。





もう開かないはずだった記憶。



掘り返したくない、掘り返すことはないと思っていた記憶。





大切な記憶。








< 362 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop