【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
ドア越しから壮大なため息が聞こえてきた。
ほら、やっぱり...呆れられてる。
涙がポロポロ勝手に落ちてきて、いつも使ってる枕を濡らす。
こんな事で落ち込んでしまう自分が情けなくなっては、また涙が溢れ出る。それの繰り返しで目が痛い。
「ムギ...いい加減鍵開けないとドア壊してでも部屋にはいるぞ」
「...」
「ムギ」
最後のチャンスだと、あだ名を強く呼ばれて渋々ドアを開けた。
「いい子だ」
さっきまで怒ってたくせに
急に流の声が柔らかくなる。
しかも私の頭を意味もなく撫でてくるから
なんだかホッとしちゃって、力が完全に抜けてしまいそうな体をベッドに預けた。
流も私の隣に寝転がる。
「お前は一体...なにがそんなに不満なんだ...?」
いつも子供みたいにはしゃいでるくせに
こんな時だけ大人っぽくなる流はほんとズルいと思う。
胸がキュンッて鳴って、今度は別の意味で涙が出てきた。