ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
しばらくして私の手から響くんの手がするりと抜けていく。
「着いた。こっからここ見て」
息を切らしてた私は言われるがままに顔を上げて響くんの横に立ち同じ方向を向く。
そこにはさっき通ってきた街が光輝いていてそのすぐ上を無数の星が煌めいている。
その光景に思わず息を飲んだ。
「キレイ…」
「だろ?街中だとわかんねぇけど星ってこんなにキレイなんだ。」
「本当すごい。こんなにキレイな所初めて来た…よくこんな場所知ってたね。」
「前にいじめられてたって話しただろ?そん時にこの街にいるのも嫌で偶然ここに来たんだ。
空気澄んでるし人の声も車の音も全部が遠くに聞こえて静かでここにいると落ち着いて嫌な事も忘れられた。
たまたまここで夜まで寝ちまった時にこの景色に出会った。
加えて春になったらこの木に桜が満開でここも一面花で埋め尽くされんだよ。」