トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「……落ち着いた?」


「はい、すっきりしました。」


「それなら良かったけど、その感じだと目が腫れそうだな。少し待ってて。」


篤さんがペットボトルのお茶を買って「これで冷やせる?」と手渡してくれる。兄とは違う、篤さんの細やかな気遣い。


こんなに甘えてしまっていいのかな。

好きなだけ泣いて気持ちが落ち着くと同時に、心につかえた思いを口にした。


「ごめんなさい、私自分のことしか見えてなくて。


篤さんの前で、こうやって泣くのは無神経だって今になって気がつきました。


私のことを好きだって言ってくれたのに、私が篤さんを傷付けてしまうこととか」


「待った!

いいよ、そんなの。気にしなくて。


君が拓真を好きなことなんて、一目見たときから知ってる。」


篤さんが焦ったように否定した。その後、


「拓真は本当に馬鹿な奴だな。」


と、ぽつりと呟いた。
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