トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「馬鹿なのは私です。おとといの夜に戻ってやり直せたらいいのに。」


「拓真が君に何を言ったか知らないけど、今だってあいつは君のことを凄く大切にしてる。

俺から見たら、殆ど依存だよ。」


「はい。大事だって言ってくれました。大事だからこんなことするなって。」


「『こんなことするな』って、……告白したことをそう言ったの?

それは拓真がどうこう言えることじゃないと思うけどな。」


「あ、今のは忘れてください。それは私がホントに悪くて。お説教モードというか、諭されたんで。」


「そう言われると余計気になるけど?」


「……聞かないでくださいね。言いませんよ。」


自分でも死ぬほど恥ずかしくて後悔しているのに、とても口にはできない。


「ふーん、じゃあ妄想するけど」


楽しんでいる様子の篤さんに、嫌な予感がした。


「君が拓真に夜這いをかけたとか。」


だから、どうして篤さんはこうも見透かすことばっかり!


……と思ったのは、目が合った瞬間に全部伝わってしまったようだ。


「え? 今の冗談で言ったんだけど。

ほんとに? 君が?」
< 119 / 235 >

この作品をシェア

pagetop