トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「それで、どうして篤にあんなことされてるんだよ。」


「それはお兄ちゃんがどうやって撮影してるか、教えて欲しかったから……。

知ったら、安心できるかと思って」


兄はため息をついて私を見る。


「で、どうだったんだ?

安心……したのか?」



「ドキドキしたし、実際にはキスしなくても密着してて、全然安心なんか出来なかった!


体が熱くなって、」



「ちょっと待った! よせ! それ以上は言うな。

聞きたくない。」



恥ずかしさを堪えて何とか説明して見たのに、兄に焦ったように遮られてしまう。どうしたら伝わるんだろう?



そうだ。




覚悟を決めて、兄に伝えた。


「それなら、キスして?」
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