トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
そこまで話終えて、胸の痛みはあるもののどこか心が軽くなるのを感じた。


ふと目線を上げると、篤が目頭を押さえているのに気付く。



「ちょっと待って、泣くなって!」



「うん、……うん。


大変だったんだなぁ。でも、よかった。



俺が女なら今夜いろいろ慰めてやるのに……。」



「いやいや、いいよ、断る!」



「何を想像したのかな、このムッツリすけべ。」



「あほか、俺がムッツリっていうか篤がオープン過ぎるんだろ。」



「そうか? じゃあ、ただのすけべ野郎の拓真に聞くけど、


……瑞希ちゃんは大事な家族だから、異性として見ちゃいけないとか思ってるのか?」



「その前置き要るのか? ま、何でもいいけどさ……。

それはもちろんそうだよ。

俺に居場所をくれた黒須家は、空っぽだった自分にとっては唯一の大事なものだから、

汚したくない。俺の勝手な想いなんかで」
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