絶対、好きになれない。
「急いでくれるのはいいけど、可愛い彼女をひとりで歩かせないから。ちゃんと今度からおうちで待機ね。」

と、隣に並んできた先輩が
きゅっとわたしの手を繋いだ。

『いつから待ってたんですか?』

「電話切ってから準備してすぐ出てきた。なんか、慌てん坊な百合ちゃんのことだから、形振り構わず飛び出してくる気がして。」

正解すぎてぐうの音も出ない。

先輩はさらっと白いシンプルなTシャツに
綺麗目のジーンズ。
少しだけ、いかつめのアクセサリー。
学校のときよりもしっかりセットされた金髪。

かっこいい。

いままで、一緒にいて意識してなかったけど
東雲先輩はやっぱり格好いい。
歩いてても女の子たちが彼に目線を配る。
繋がれた手に嫉妬されそう。

「まーた男の子たちが百合ちゃん見て振り返ってくよ。俺めっちゃ優越感☆」

嬉しそうにはにかむ先輩はとっても可愛い。
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