絶対、好きになれない。
ここ最近で
東雲先輩や叶くん、愛花ちゃんと
たくさんのひとと関わり始めたからか
ある程度ひととの会話が楽になってきた。

仮面を外してからというもの、
やっぱり常に視線を感じるし
廊下にはたむろしてるひとたちもいるし
嫌な気持ちになることはあるけど、
近くに「友達がいてくれる」っていう
最上級の安心感が
わたしを精神的に救ってくれた。

『愛花ちゃんだーいすき。』

いつの間にか
愛花ちゃんとは常にいっしょにいる、
大の仲良しの友達になって、ベタベタしてる。
男勝りな愛花ちゃんなのに
実は恋してて
その相手がまさかの東雲先輩の友達!

真っ赤かにして、彼を見つめてる目線に
こっちがドキドキしちゃうくらい。

『いいな、わたしも恋とかできるかな?』

「出来ないはずないでしょ。ってか、叶と付き合ってるとかなかった?」

『あれは!言葉の綾っていうか、叶くんが助けてくれたときに言っただけで。』

「え、けど叶の好きな人って百合でしょ?」

< 63 / 136 >

この作品をシェア

pagetop