絶対、好きになれない。
羽根山海浜公園行き、を見つけて
ふたりで切符を買う。

「よしっ!5分後だし、急ぎますよー!」

わたしの腕をしっかり掴んで
ずんずん歩いて行く愛花ちゃんは
どこか心が躍ってるよう。

『愛花ちゃん、なんかいいことあった?』

「ん?うふふ。着いてからのお楽しみってことにしておきまーす。」

コロコロと表情が変わる愛花ちゃんを見てると
自然に微笑んでしまう。
不思議なパワーをもった子だなあ。

揺れる電車にすこしだけ、うとうとしながら
参加予定のクラスメイトたちに
「いま電車ですー」とふたりで送ってみる。
時間前に着けそう。

それにしても、いい天気!
最高の海浜日和。

去年の沖縄では少しだけ海にいったけど
泳いでなかったし、
ほんと何年ブリの海だろう。

電車のガラスから見える、海の
太陽の光でキラキラした感じが
胸を高鳴らせる。
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