2度目の初恋も、君とがいい
「はぁー、よかった。嫌われたかと思った」



その場にしゃがみこむ。



「永人のこと嫌うなんてありえないよ」


「ならいいんだけど」



嫌いになれたらいいのにって思う。
だって、そうしたら楽だ。

でも……。



「どうしても永人のことが好きだから」


「……っ」



あたしの言葉に目を丸くする。



「言ってるじゃん。好きだって」


「う、うん。そ、そうだな……よし、部屋に入ろう」



あたしから目を逸らして、ドアノブに手をかける。



「永人」



そんな永人の腕を引っ張ってこちらを向かせる。



「ん、どした……」



あたしの顔はそれでも見ようとしない永人。


だから、あたしは……。
クイッと永人のネクタイを引っ張った。



「ちょ……ち、か」



永人の言葉なんかあたしの唇で遮った。

こんなことしたことない。
自分からキスをするなんて。

こんなことすることがあるなんて思ってなかった。



「は!?おいっ」



顔を赤くしてる永人にあたしは



「プレゼントもらった」



そう微笑んで、部屋に入る。

17回目の誕生日はどの誕生日よりも最高のものになったかもしれない。

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