極上社長と結婚恋愛
「すごいですね……。私、ネットとかパソコンは本当に苦手なので、なんだか別の世界のお話を聞いてるみたいです」
「苦手なんですね。なにか困っていることがあるなら相談にのりましょうか?」
「あ、とんでもないです! 困っていると言っても、ネットで部屋探しをしているうちに、気になった物件のページがわからなくなってしまったりとか、そんなくだらないことなので」
まっすぐに顔を覗き込まれ、慌てて首を横に振った。
こんな立派な会社の社長さんに、相談にのってもらうなんて恐れ多すぎる。
「へぇ、引っ越しをする予定なんですか?」
私がなにげなく口走った言葉にも、きちんと関心を持ってくれる。すごく聞き上手で優しい人だなと感心してしまう。
「はい。できればお店のそばに住みたいなと思って、賃貸の部屋を探している最中なんです」
「そっか。いい部屋が見つかるといいですね」
優しく微笑まれ、体温が上がる。今自分が赤面しているのを実感する。
咄嗟に視線をそらせたとき、社長室の扉がノックもなしに開かれた。