極上社長と結婚恋愛
 



必要な荷物をまとめて、お店に運ぶ。

バックヤード代わりのスペースには小さいけれどソファがあるから、寝るときはそこを使えばいい。

ちいさなキッチンもあるし、周りにはお店があるからないものは買い足せばいい。
快適とはいえないけれど、仕事をするには十分な環境だ。

日中はお店を開き、閉めてからはウエディングの仕事に集中する。
一日中花に囲まれて仕事をするのはつらくはない。

ただ、おはようもおやすみも言う相手がいないのが、こんなにさみしいなんて知らなかった。

わざわざお店に泊まり込んで直哉さんと距離を置こうとなんてしなくても、直接『結婚するんですか』と聞けばいいだけの話かもしれない。

直哉さんは誠実で優しい人だし、彼の言葉を信じていないわけじゃない。

だけど、本当に直哉さんが誰か知らない女の人と結婚をするつもりだったら……。
そう思うと怖くなる。


 
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