極上社長と結婚恋愛
 
「さ、次はウエルカムボードを仕上げちゃおう」

わざとひとり言をつぶやきながら立ち上がる。
除湿器を稼働させたバックヤードにつるしてあったドライフラワーを下ろし、作業台に持ってくる。

直径二十センチほどの木の丸太には、業者さんにお願いしてレーザーカッターで新郎新婦の名前とウエディングパーティーの日付を刻印してもらってある。

その周りをドライフラワーのカスミソウやシルバーブルーニア、松ぼっくりやミモザなんかでナチュラルでかわいく飾っていく。

今週末の日曜日が、ついにウエディングパーティーだ。
今まで何度も打ち合わせをして、準備をしてきた。

大切な一生の記念になるウエディングで、私の花を使いたいと言ってくれたお客様のために、あとひと息最後まで全力で頑張ろう。

そう思ってひとつひとつ丁寧に作業をしていると、入り口の方からコツコツ、と音がした。
誰かが窓を叩いたようだ。


 
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