cafe レイン

結局、私達も手伝ってあげてどうにか片付けが終わり三人で居酒屋へと入った。
ガヤガヤとしている店内。店員さんに連れられてテーブル席へと案内された。


私と律ちゃん、その対面に沖くんで座る。
おしぼりを受け取り、すぐにお酒だけ注文した。

私と律ちゃんはレモンサワー。沖くんは生ビール。


「今日、来ちゃって大丈夫だったの?」


メニューを開いている沖くんにそう尋ねるのは律ちゃんだ。


「はい、大丈夫です。俺仕事出来るんで」

「うっわ、嫌な後輩だよ」


サラッと言った沖くんに、律ちゃんは苦い顔をして答えた。


「でも、沖くん本当に仕事早いんだよね」


けっしてこれは彼の過信でも、過大評価でもない。
納期前にきちんと仕事を終わらせてくる。

ミスも本当に少ないから、こっちとしては助かっていた。
そんな沖くんはきっと昇進も早いんだろうな。


「小野寺さん、もっと褒めてください。俺、褒められて伸びるタイプなんで」

「調子乗るな」


私が答えるより先に律ちゃんが言って、沖くんは「ちぇっ」と言いながら口を尖らせた。そんな二人を宥めながら苦笑する私。
それからお酒が運ばれ、私達は乾杯をした。
< 12 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop