ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
これ以上彗大に顔を見られるのも、見たくもなくて、彼女に彗大を押しつけるように言葉を重ねる。
やっぱりだめだ。これは厄介だ。
言葉とは裏腹に、自覚するべきでなかった気持ちがどんどん募る。
もう、これ以上気持ちが揺らぐのは危険だ。
インスピレーションが湧いてる訳じゃないのに、勝手にドス黒い色がわたしの世界に土足で入ってくる。
早く、早く、この場を離れなきゃーー
「すみません!コイツは俺しか有り得ないんで!」
とても、強力な音だった。
その一声で、わたしの世界は一瞬で色を取り戻す。
彗大は迷いなくわたしの腕を取り、あっという間に応接室に引き込んで、その場で力いっぱい抱きしめた。
カラダが、彗大の抱擁に歓喜する。
もうやだよ。
これ以上、甘やかすのはもうやめてよ。
「神山さん」と呼べば、更にきつく抱きしめられる。
「今仕事中です」とたしなめても、困り果てたような声をだす。
「でも、神山さんは彼女みたいな方がお好みなんですよね」
言い訳なんてしなくていいと言いながら、言い訳をさせるための言葉が口をついて出る。
「別に説明、いらないです」
言ったそばから、説明されることは想定済みの恐ろしく強かで愚かな女がここにいる。
「一回限り、名前も知らない」
「わぁー最低ですね」
最低なのはどっちよ。
わたしに責める権利なんかない。聞く権利も、縛る権利も、甘える権利も。
側にいて貰える画家としての資格すらも。
なにも、なにも持ってない。
「とにかく離してください」
「嫌だ」
嬉しいって思うな。
いちいち綺麗な色を魅せるな。
「だから、仕事中……」
「離したらお前、絶対逃げるだろ!」
錯覚した彗大にわたしが本気になってしまったら、どうしようもないじゃない。
やっぱりだめだ。これは厄介だ。
言葉とは裏腹に、自覚するべきでなかった気持ちがどんどん募る。
もう、これ以上気持ちが揺らぐのは危険だ。
インスピレーションが湧いてる訳じゃないのに、勝手にドス黒い色がわたしの世界に土足で入ってくる。
早く、早く、この場を離れなきゃーー
「すみません!コイツは俺しか有り得ないんで!」
とても、強力な音だった。
その一声で、わたしの世界は一瞬で色を取り戻す。
彗大は迷いなくわたしの腕を取り、あっという間に応接室に引き込んで、その場で力いっぱい抱きしめた。
カラダが、彗大の抱擁に歓喜する。
もうやだよ。
これ以上、甘やかすのはもうやめてよ。
「神山さん」と呼べば、更にきつく抱きしめられる。
「今仕事中です」とたしなめても、困り果てたような声をだす。
「でも、神山さんは彼女みたいな方がお好みなんですよね」
言い訳なんてしなくていいと言いながら、言い訳をさせるための言葉が口をついて出る。
「別に説明、いらないです」
言ったそばから、説明されることは想定済みの恐ろしく強かで愚かな女がここにいる。
「一回限り、名前も知らない」
「わぁー最低ですね」
最低なのはどっちよ。
わたしに責める権利なんかない。聞く権利も、縛る権利も、甘える権利も。
側にいて貰える画家としての資格すらも。
なにも、なにも持ってない。
「とにかく離してください」
「嫌だ」
嬉しいって思うな。
いちいち綺麗な色を魅せるな。
「だから、仕事中……」
「離したらお前、絶対逃げるだろ!」
錯覚した彗大にわたしが本気になってしまったら、どうしようもないじゃない。