ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
「だって、まけぃたの声でもエロってカテゴリーになると、この前のキスでエロネタ切れちゃったんだもーん」

「お前、どんどん痴女に成り果ててるぞ」

だもーんじゃねぇよ。

つーか俺も、男の前でこんな堂々エロエロいう女がいいって、一体どーなってんだ。


「同時進行でやるならさっさと仕上げろよ」

しかも、なんだこの感情は。
魅たい好奇心はある癖に、俺のいないとこで俺の知らない画(しかも官能画)を描かれると、浮気されてるみたいで気に食わない、とか。

あーかっこ悪い。かっこ悪過ぎる。今の自分が見苦し過ぎて、

“彼氏でもなければ、名前すらまともに呼ばれない分際で偉っそうに!”

ここにきてまさかの脳内彗大Jr.。が誕生する。

「さっさとって言ってもなぁ。芸術はパッションだから(笑)」

「うるせぇよ。画で飯食ってんなら、お前のはビジネスだ。文句いうな」


“お前もビジネスなんだから、いちいち突っかかってんじゃねぇよ小物男!”


ああああ、正論っぽいことを吐けば吐くほどブーメランのように返ってくる自傷攻撃。

魔王の居ぬ間に叱咤激励的な意味合いで誕生したのだろうが、今の脳内彗大Jr.は、調子に乗って俺を滅殺する勢いだ。

“弱いものイジメはやめろ!本体をこれ以上損傷すると再生不可能になってしまう。”

ぶーとむくれて真っ白なキャンバスとにらめっこしてくれている隙に、精神傷害罪で脳内Jr.を、有無を言わさず脳内警察官(new初登場)がしょっ引いていく。

て、しょーもない妄想してる場合か。


「……。」

はぁー。くだらない独占欲とわかっていても止められない、のに、むくれられると弱い、とか。


「……で、どーいう感じのが描きたいんだよ」

俺にかかった呪い、強力すぎるだろ。


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