ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
「ね、彗大!泡風呂はいろーよ!」

「入んねーよ」

「おっけー!準備するね!」

「聞けよ人の話を」

なんで俺がこんな目に……。

ふらりと立ち上がろうとするコイツの腕を掴んで、ベッドに転がす。

もう余計なことをこれ以上するな。

「あたま、ふわふわしてきたー」

「だろーな」

「わたし、お風呂入ってからスる派なんですけどー」

「俺は、わけわかんねー女とはシない派なんです」

「じゃあお風呂の用意は彗大がしてきてー」

「お前、ホントにイラっとしてくるわ」

ベッドの上をコロコロ転がりケラケラ笑うコイツを眺め、果たして俺はこの珍獣を連れ帰ることが出来るかをシミュレートする。

今のこのテンションで、住所を聞いても絶対答えなさそうだし。

アトリエに放り込んだとして、次の日オーナーに何言われるかを考えると悪夢だ。

ヘタにここ出たら俺んち来るとかも言い出しかねない。

つーことは、泊まりか?
あー微妙。微妙すぎる。

とりあえず、こんな情けないラブホ宿泊とか初めてなんですけど俺。
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