ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
色々な場面を模索したが、ここは腹を決めて泊まるのが一番マシか。

「彗大ー」

「なんだよ」

「落ちるー」

ベッドでコロコロ転がり過ぎて、上半身が落ちかかっている。

どうやら笑いすぎと転がり過ぎでもう這い上がる筋力がないようだ。

つーか、自分でベッドに戻れない時点で、もう結構回ってるよなお前。

「仕方ないな……」

そう言って端に転がったコイツの救出に腰を上げてギョッとする。

これは、お前、計算か?

転がり過ぎて捲れたニットワンピースから、普段はご披露されない剥き出しの太腿とニーハイの絶対領域が俺の眼を攻撃する。

なんだこの絶好の角度!
なんだあの白い肌は!

「彗大ー早くー落ちるー」

猛毒級の足が膝を立てて、絶対領域が更にギリギリのラインを解放する。

けしからん!もっとやれ!つーかもうヤれよ!
久々に戻ってきた脳内彗大Jr.がゲス彗大Jr.で、更に追い討ちをかけられる。

今お前出てくんな!ややこしいんだよ!


「もーじっとしてろお前!」

グイっと落ちかけた腕を引っ掴んで、飛び込んできたコイツのカラダをギュッと強く抱きしめる。

脳内ゲスJr.をこれで諭せるかは分からないが、というか、これくらいは許してくれ。

髪の香りにグラリと理性が揺らがぬ内に、バッと離れて肩を叩く。

「じっと、し、て、ろ!」

「彗大はマグロがいいの?」

アカンこいつ、マジでめんどくせぇ。
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