ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
何言ってんだ、コイツは。

「オーナーがお前を捨てるわけ」

「捨てられるよっ!だって、彗大抜きで描くって今回言ったやつ、全部ボツだもん!」

「ボツ?」

「しょうこちゃんから聞いて知ってるんでしょお?白々しいよ!
頼まれてハロウィン誘ったくせにぃ〜〜!」

確かにオーナーからチケットは貰ったけどそこは誤解だ。と言いたいところだが。

お前を誘う一択しか与えなかったことを考えたら、オーナーの思惑内にあった話というのは違わないのか……?

「……だいたい、なんで俺抜きで描こうと思ったわけ?」

ボツ続きで煮詰まってるって話なら、抜かなきゃいい話だろ?

俺抜きって聞くだけでもモヤっとすんのに。

お前の描く世界に関わりたいこの独占欲を、お前が一番見透かしてる癖に。


「?、聞いてないの?」

「知らねーから聞いてんだよ」

「だって……」

「はっきり言えよ」


「っ、画が描けないめんどくさいだけのわたしなんて、彗大、離れるに決まってるじゃん!」

「……は?」

「彗大のいない世界の色じゃ、もう全然足りないんだもん!発情しないんだもん!」

「……」

「だけど、彗大に依存してしか描けないなんて、もうそんなの画家じゃないじゃん!」

「……」

「なのにもう、わけわかんないの!
わかってるよ!実際全然だめだめだもん!」

「……」

「彗大いなかったら描けないし、描けないわたしじゃ彗大離れるし!」

「……」

「しょうこちゃんが彗大にチケット渡した時点で、わたし単品には価値なしって言ったのと同じじゃん!三行半じゃん!」

「……」

「筆折るか彗大を利用してでも描くかとか、なんでどっちも嫌なこと、選ばなきゃだめなの?」

「……」

「でもわたしの一番は“描きたい”なの。
“描かない”だけは絶対有り得ない。ずっと魅たいって思ったの!」

「……」

「じゃあ彗大に頼るしかないでしょっ?
でも画以外で彗大を付け込もうと思ったら、もうえっちするしかないじゃん〜〜〜!!」


色々突っ込みどころ満載だが、これだけはわかる。

計算高いくせ、めちゃくちゃ稚拙で純粋な女。

こんな風に泣き喚く女とか、本来鬱陶しいだけなんだろーに。

犯罪級にクソ可愛いとか、俺の目はどーなってんだ。

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