ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
スマホを開きLINEを見ると、アイツから連絡が入っていた。

やべ。朝から調整作業ばっかしてて見落としてた。

“一本早い電車乗ったら割と早く着いた”

“近くのコンビニで時間つぶしとく”

“やっぱ本屋いくね”

“服屋さんに移動”

“もー着く?”


なんだこりゃ。めちゃくちゃ入ってきてるし。

つーか、落ち着きのある方とは思ってなかったが1人でも慌ただしいやつだな。

駅に到着したのは今から20分前だってのに、チョロチョロ移動し過ぎだろ。

「しゃーねーな」

もうすぐ着くけど、まぁ今どこにいるかもわかんねーし連絡するか。

LINE画面を一旦閉じて、リダイヤルからコールする。

「……あ、」

しかし、コール途中であっさりアイツを見つけてしまう。

雑踏の中、しかもこっから結構離れてる距離。
それなのにソッコー見つけるって俺は乙女か。これはかなりの乙女の目だろ。

声をかけるにはまだまだ距離もあるので、とりあえず着信は継続させる。が。

「……?」

KIOSK前でカバンを押さえ、すごく困り果てた様子で着信に出る気配がない。

なんで出ねーんだ?

そう思うと同時に、雑踏の隙間から見えた光景に胸が焼け付いて、無意識で走り出す。

あークソ!もっと早くに出とくんだった!

走れば走るほどおおよその光景と情報が鮮明になる。

「いやいや、今、めっちゃスマホ鳴ってるじゃん」

「わたしじゃないです持ってないです」

「もーそんな嘘いいからー。
LINE交換くらいならいいっしょ?」

「よくないですわたし彼氏いるんで!」

「うん、さっきもそれ聞いたし。けど友達くらい増やしても、よくない?」

「よくねー、よ!!」

たった20分でナンパされてんじゃねーよ隙だらけ女!!
< 83 / 144 >

この作品をシェア

pagetop