ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
「……ナイショ」

そう言ったきり、背中側に回ってコイツは更に黙々と作業を進めた。

……ナイショって。

呟きに響きが少し似たその声に、はにかんだその表情に、ヤラレタのは俺の方だった。

あーナニ本当コイツクソ可愛いな。なんだこのイキモノ。ガチ悶えるわ。

今までがこの展開になると毎度エロいことに発展してたから。

絶対今も“そういう”流れだったし、そうなると覚悟して誘い込んだつもりが、まさかの変化球。

いつも色に貪欲で、ガツガツ攻めてくるアバズレ女が、今日に限って処女みたいな反応するから余計クル。


ダメだもう。

コイツが欲しい。確実に欲しい。


「なぁ」

「なに」

「コレが全部描けたらさ」

「うん」

「俺と結婚してくんない」


< 88 / 144 >

この作品をシェア

pagetop