【完】姐さん!!
風呂場に入って水着に着替えたあと、半袖のシャツだけ羽織って出た。
なるみの体調が悪いならそばにいてやりたいし、何より目を離した隙に男に声掛けられても困る。
「薬は?」
「ううん、飲むほどじゃないの。
あとで痛くなるかもしれないから、一応持っていくけど……」
「ん。体調悪くなったら言えよ?
俺に言いづらかったら、満月ちゃんでもいいし」
「……うん、ありがと」
今日、3人部屋取れなかったのは失敗だな。
お盆休みだし人も多いから、仕方ないことかもしんねえけど。女の子同士の方が、そのあたりも気楽でよかっただろうに。
今はとにかく大丈夫そうだけど、と。
すこし落ち込み気味ななるみの手を引いて、部屋を出る。なるせが「姉ちゃん水着は?」って聞いてきたけど、「諸事情」って言っておいた。
……諸事情っていうか、たぶん、分かるだろうけど。
察したのかなるせも「ああ、ね」としか言わないし。
「海行ける? 忘れ物ない?」
「大丈夫。行こ」
人は多いし気温は高くて暑い。
まぶしそうに目を細めたなるみは、「遊んできてね」って俺に言ってくれたけど。
「本音は?」
「………」
簡単に組み立てられるテントが出来上がったあと、荷物番を兼ねて座ったなるみは、じっと俺を見つめる。
兄貴と満月ちゃんは何かの相談をしていて、なるせは彼女と既に海に入りにいったけど。