【完】姐さん!!
「もしかして、誰かとはぐれちゃった?」
年齢的には4歳くらいの女の子。
あきらかに周りをきょろきょろとしていたし、不安そうなその表情を見れば、どうも迷子っぽい。
「おにーちゃんと……はぐれて、」
うるうると、女の子の瞳が潤んでいく。
ひとりで探していたけれど、声をかけたらすこしだけ安心したらしい。ぽんぽんと、優しく女の子の頭を撫でて。
「お姉ちゃんと一緒に探そうか」と手を差し伸べる。
そうすれば彼女は、ぎゅっとその手を握り返した。
「お兄ちゃんの、特徴……
こんな感じ、っていうの、説明できる?」
彼女の身長では探しづらそうだからと、一度女の子を抱き上げる。
広い公園内は人であふれているし、探すのは結構大変かもしれない。迷子センターなんかがあればいいけど、この公園にはそういうものがないし。
「あのね、すっごく、かっこいいの!」
「……うん」
「まいのおにいちゃん、かっこいいんだよー」
……どうやら彼女は「まい」という名前らしい。
でも残念ながらお兄ちゃんがかっこいいという特徴じゃ探せないし、そもそもそれは妹から見た話であって、お兄ちゃんの特徴じゃない。
となれば、手がかりゼロ。
「今日どんなお洋服着てた?」と聞いてみるけど、覚えていないらしい。
「迷子? よく気づいたな」
わたしに追いついた衣沙とさおにも手伝ってもらおうと、あたりをきょろきょろと見回す。
向こうだって当然迷子に気づいているだろうから、同じように誰かを探している人がいたら、まいちゃんのお兄さんである可能性が高いのだけれど。