【完】姐さん!!
「まいちゃん、お兄ちゃんとどこではぐれたの?」
「えっとねぇ、
やきそばうってるお店のところー」
わたしの腕の中にいるまいちゃんの表情を、覗き込むようにして尋ねるさお。
案外子どもが好きなのかもしれないと思っていたら、「屋台の方ですね」と、さおはカラフルな屋台が並ぶ方を指差した。
「まいちゃん、お兄ちゃんの名前は〜?」
「みなせ、ひさめ!」
「……みなせ、ひさめ?」
訝るように、目を細めた衣沙。
どこか引っかかるようなその素振りに「知り合いなの?」と聞けば、彼は何か言いかけて。
「……いや、俺の勘違いかも」
それだけ言って、口を閉ざした。
……なにそれ。勘違いかもってなんだ。
「まいちゃん、お兄ちゃんこのあたりにいそう?
あ、ごめん衣沙、ソフトクリーム溶けちゃうから食べてくれていいわよ」
まいちゃんが、あたりを見回す。
彼女に言う際、偶然視界に入った衣沙がまだふたつともソフトクリームを持っていることに気づいてそう言えば、彼は「んー」と適当に返事した。
「おにいちゃん、いない」
「いない? じゃあ近く探そっか」
さっき来たのとは反対の方がいいかな、と思いつつ。
足を進めようとしたら、「まい!」とどこからか届いた声。