【完】姐さん!!
それはやっぱり、
わたしの中学の時のことがあるから……?
「それに、こんな人の多いところで揉め事とか目立つし巻き込んでも勘弁だし。
今日のところはお互いにただ遊びに来ただけってことで」
「それは構わないが、」
「それじゃあ。……行くよ?なるちゃん」
するりと、腕がほどかれる。
あ、と離れたその腕を名残惜しく思う間もなく、衣沙はわたしの手を引いて歩き始めた。
「あ、おい。まだ話は、」
なんだか呼び止められているのはわかるけど、わたしはまだうつむいたままだから、それに応えてあげられないし。
衣沙に連れられるかたちで、霧夏のみんながいるシートへともどれば。
「衣沙さんに姐さん、ツキも……!
一体どこ行ってたんすか!?急にいなくなったんで俺らびっくりしたんですけど!」
「全然戻ってこないし、何かあったのかと……」
「んなわけあるかよ〜。
大丈夫だから落ち着け。ほら。なるみおいで」
きゅん、と。胸が疼く。
靴を脱いでシートにあがり、ようやく顔を上げる。その先で衣沙がやわらかい笑みを見せるから、きゅうっと胸の奥が締まって苦しくなった。
「衣沙……」
ううん、それだけじゃない。
さっき衣沙が言った言葉が、引っかかってる。
わたし、もしかして。
とんでもなく大事なことを、見逃してるかもしれない。