【完】姐さん!!
「衣沙兄……姉ちゃん泣かさないでよ?」
「うわあ……
なんか、なるせに言われんの一番傷つく……」
なるせってシスコンとまではいかないけど、姉ちゃん好きだしな……
ガチトーンで心配されたら、なんとなく「ごめん」って言いそうになる。泣かせたわけでもないのに。
「っていうか、いいの?衣沙兄。
姉ちゃん、今日一緒に出掛けてたんでしょ?帰ってきてからずっと男と電話してたけど」
「はあ……?」
「来週の日曜、駅前の広場に10時。
……間違いなくデートの待ち合わせだよね?」
帰ってきてからずっと電話……
って、たぶんそれアイツだろ……言われなくても相手は誰だか特定できてるんだよ。
「……行くって言ってた?」
「基本的に優しい姉ちゃんが断ると思う?
別に予定があるわけでもないのに」
「……ちょっと待って」
ふっと、息をつく。
それからテーブルに手を伸ばしてスマホを触ると、女の子たちから連絡が入っているけれど、それには目もくれず。
『もしもし? 衣沙?』
電話を掛ければ、相手はあっさり出た。
どうやら男との長電話とやらは終了したらしい。
「なるみ、ちょい予定聞きたいんだけど」