【完】姐さん!!
「夏なら海とかいいよね。
どう? なるちゃんの水着姿拝めるよ」
「そ、んなのにつられねえから俺」
「夏祭りなら浴衣だよね。
姉ちゃん美人だから浴衣似合うよ」
「……行きます」
ウェルカム煩悩。グッバイ理性。
思っていた以上に俺はちょろいらしい。水着と浴衣につられるの、なんていうか俺が典型的に馬鹿みたいじゃん。
「……誘惑されたい年頃だよね」
くすくす笑ってる兄貴に、いつか「ほらみろ」と言ってみたい。
勝てた試しがない。……なるみに、好きになってもらったという点を、ふくんでも。
「それより衣沙、さっきなるちゃんのことデートに誘ってたけど。
そんな調子でちゃんとデートできる?」
「………」
「ヘマしない? 大丈夫?」
ふたりで出掛けたことは別に少なくない。
一緒に飯行くこともあるし、出掛けることだってもちろんある。
だけどデートとなればそれは別物なわけで。
というか俺もちょっとは意識されたいわけで。
「……協力してくださいお願いします」
不本意だけど頭なら下げるから、
マジで俺となるみの関係をどうにかしてください。