【完】姐さん!!







「姐さん。一緒にお昼食べましょう」



「ハイ却下。なんでお前ここにいんの」



「衣沙さん今の俺の話聞いてました?」



──月曜日。

何を思ったのか、昼休みになってすぐになるみを誘いに来たのはツキで。女子の色めき立ちようが半端ない。……なんだっけ、貴公子?



「俺は姐さんのことを誘いに来たんですよ。

衣沙さん、どうせほかの人と約束してますよね?」



「だから何?」



涼し気な表情が気に入らない。

15年以上そばにいる俺よりも、よっぽど余裕気なその姿が、俺は納得できない。……ムカつく。




「姐さんが誰とお昼食べても自由ですよね?」



「自由だけどお前はだめ」



「都合良すぎませんか?それ。

……姐さん、はやく行きますよ」



なるみの腕をつかまえて、「だめ」と忠告する。

そうすれば彼女は困ったように俺とツキを順番に見やる。それから。



「……ごめん、衣沙」



するりと、俺の手をほどく。

その瞬間に、まわりがざわざわとしたのを感じた。



……いま、俺、手振り払われた?



< 76 / 263 >

この作品をシェア

pagetop