【完】姐さん!!
◆
「姐さん。一緒にお昼食べましょう」
「ハイ却下。なんでお前ここにいんの」
「衣沙さん今の俺の話聞いてました?」
──月曜日。
何を思ったのか、昼休みになってすぐになるみを誘いに来たのはツキで。女子の色めき立ちようが半端ない。……なんだっけ、貴公子?
「俺は姐さんのことを誘いに来たんですよ。
衣沙さん、どうせほかの人と約束してますよね?」
「だから何?」
涼し気な表情が気に入らない。
15年以上そばにいる俺よりも、よっぽど余裕気なその姿が、俺は納得できない。……ムカつく。
「姐さんが誰とお昼食べても自由ですよね?」
「自由だけどお前はだめ」
「都合良すぎませんか?それ。
……姐さん、はやく行きますよ」
なるみの腕をつかまえて、「だめ」と忠告する。
そうすれば彼女は困ったように俺とツキを順番に見やる。それから。
「……ごめん、衣沙」
するりと、俺の手をほどく。
その瞬間に、まわりがざわざわとしたのを感じた。
……いま、俺、手振り払われた?