メトロの中は、近過ぎです!
「でも、課長…」

まだまだ食い下がる私に課長はしっかり向き合った。

「佐々木。大野がなぜ本社に行ったきりだと思う」
「っ……」
「なんでですか?」

言葉が出なかった私の代わりに戸田君が聞いてくれた。

「戸田は知らなくていいんだよ」
「……」
「佐々木。あの日、あの打ち上げする予定だった日に何があったのかは聞かん。
でも佐々木が体調悪いから家に帰しますと言ってきたのは大野だ。
それからしばらく大野の姿は見かけなかった」

倉庫の景色を思い出して顔がひきつった。

「戻ってきた大野は滅多に行かない2階に行っていて、俺が気付いたときにはもう川端と口論になっていたんだ。
そして川端が大野の胸ぐらを掴んで殴った」

手が震えている。

「不思議なのはここからだ。
なぜかそんなゴタゴタしているところに本社の営業1課の課長の副島さんがやってきたんだ。
滅多に人形町支社に来ない副島さんが、滅多にない殴り合いを見てしまった。
しかも殴られているのは、大野建設の御曹司。
な?この時点でおかしいだろ?」

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