メトロの中は、近過ぎです!
楽しい…

ただ椅子に座るだけなのに、その座り心地や触り心地はどれも違っていて、次はこれ、次はあれ、と夢中になっていた。

そんな部屋にクスクスと笑い声が聞こえてきた。
シンさんがラフな服装に着替えて、リビングの入口にもたれている。

「見てたんですか?」
「いや。声をかけづらくて…」

シンさんはまだ笑っている。

「どれか気に入ったのあった?」

シンさんは椅子が好きなんだろう。
優しく質問された時に、はっきり分かった。

「どれも良くって一つに決められません」

クスッと笑うと、

「浮気性だね」

微笑みながら言われたその言葉に、



全身が凍り付いた。
< 142 / 309 >

この作品をシェア

pagetop