メトロの中は、近過ぎです!
「すみません。もう佐々木から聞かれてましたか」
「どけって」

低くて冷たいシンさんの声。

シンさんの変化に大野さんは驚いているだろうけど、何も言わずに横にずれた。

私の視界に入ってきたのは四角い黒い鞄。
同時に全身に感じるシンさんの視線。

全身が緊張で震える。

誰も何も喋りださない。重たい時間。


シンさんが私の方へ一歩動いた。
それに反応して、私は一歩後ろに下がった。

それがシンさんの怒りを更に煽ってしまったらしい、
チッという舌打ちと同時に一瞬で距離を詰められ、腕を捕まえられた。

握られた腕が痛い。
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