御曹司のとろ甘な独占愛
劉伯睿(リュウ ハクエイ)。
貴賓翡翠代表取締役の一人息子であり、貴賓翡翠の将来を担う副社長だ。
貴賓翡翠の主要バイヤーとして世界各地を飛び回り、自身の牽きいるコレクションでは代表デザイナーを務めている。
コレクションに関してはデザインだけでなく製作にも関わっており、少年期には既に頭角を現していた類稀なるクラフツマンシップで、数々の珠玉の翡翠作品を生み出し続けていた。
十八歳の若さでイギリス有名大学を卒業した秀才で、貴賓翡翠入社後は、すぐに日本貴賓翡翠を立ち上げている。
事業拡大を目指すばかりに、どこかカジュアルな印象を拭えなくなっていた貴賓翡翠。それを彼は内部より大きく改革し、創業当時より続く威厳のある貴賓翡翠のその先へと昇華させてきた。
貴賓翡翠が中華圏だけでなく、世界的ハイジュエリーブランドへ成長できたのは、彼の存在があってこそだった。
「貴賓翡翠イタリアの業績は右肩上がり。俺がこれ以上ミラノ支社に留まっていても意味がないので、今後の支店の立ち上げは支社長に任せることにしました」
「支社長だと?」
「支社長はすでに俺の直属の部下に任命しています。俺はこの四月から台湾での業務に復帰するつもりです」
「勝手なことを言うな。ミラノ支社にまだまだいてもらわないと困る」
伯睿は窓の外の景色へ目線を投げ、溜息を吐いた。――やっと十五年越しの策略が動きだす、という時なのに。
貴賓翡翠代表取締役の一人息子であり、貴賓翡翠の将来を担う副社長だ。
貴賓翡翠の主要バイヤーとして世界各地を飛び回り、自身の牽きいるコレクションでは代表デザイナーを務めている。
コレクションに関してはデザインだけでなく製作にも関わっており、少年期には既に頭角を現していた類稀なるクラフツマンシップで、数々の珠玉の翡翠作品を生み出し続けていた。
十八歳の若さでイギリス有名大学を卒業した秀才で、貴賓翡翠入社後は、すぐに日本貴賓翡翠を立ち上げている。
事業拡大を目指すばかりに、どこかカジュアルな印象を拭えなくなっていた貴賓翡翠。それを彼は内部より大きく改革し、創業当時より続く威厳のある貴賓翡翠のその先へと昇華させてきた。
貴賓翡翠が中華圏だけでなく、世界的ハイジュエリーブランドへ成長できたのは、彼の存在があってこそだった。
「貴賓翡翠イタリアの業績は右肩上がり。俺がこれ以上ミラノ支社に留まっていても意味がないので、今後の支店の立ち上げは支社長に任せることにしました」
「支社長だと?」
「支社長はすでに俺の直属の部下に任命しています。俺はこの四月から台湾での業務に復帰するつもりです」
「勝手なことを言うな。ミラノ支社にまだまだいてもらわないと困る」
伯睿は窓の外の景色へ目線を投げ、溜息を吐いた。――やっと十五年越しの策略が動きだす、という時なのに。