御曹司のとろ甘な独占愛
 約一時間が経過し、一花のドレスアップが全て完了した頃。
 ようやくパーティー会場の下見を終えた伯睿が、リビングルームへ帰ってきた。既にベッドルームへ寄って着替えを済ませて来ており、彼のスーツもドレスアップされている。

「伯睿! お帰りなさい」

 伯睿は、ソファに座りながら紅茶を頂く彼女へ顔を向けると、「ああ……」と感動したような声をもらした。

 夜空のようなネイビーが美しい、シルクサテン生地のベルラインドレスを纏った一花は、艶やかな髪をアップにし、編みこみを施されていた。

 ほんのりと上気しているようなチークに、長い睫毛……、ふっくらとした桜色の唇が愛らしい。

 繊細なレースで編まれたオフショルダーと、膝を隠すミディアム丈のスカートが、彼女の純粋で清楚な雰囲気を引き立てていた。

「……綺麗ですね、一花」

 伯睿は彼女の前でかしづくと、まるで眩しい宝物を見るかのような視線で目を細める。

 一花の姿を記憶の中に焼き付けるかのようなその視線に、一花は身じろぎした。そんな彼女へふっと微笑むと、伯睿は立ち上がる。

「さて、出発しましょうか」

 パーティーは午後十九時に開始予定だ。
 一花は緊張を飲みこみ、神妙に頷き返した。
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