御曹司のとろ甘な独占愛
 二十一時、パーティーは幕を下ろした。
 伯睿とその隣に並んだ一花は、丁寧に挨拶をしながらお客様のお見送りをする。全てのお客様をお見送りした後、やっと二人にとってのパーティーが終了した。


 その夜は、そのままホテル・エテルニタ台北に泊まることになった。

 ドレスアップをした部屋――スイートルームに戻ると、誰もいないリビングルームが広がっていた。ドレスのハンガーラックやドレッサーもすでに撤去されており、動かされていたらしいソファやセンターテーブルが中央に戻されている。

 慣れないパーティーでくたくたに疲れた一花は、お風呂に入った後、崩れるようにベッドへ倒れこむ。
 半分寝息を立てていたところで、お風呂を終えた伯睿が、そっとベッドへ入ってきた。

「……はくえい、おつかれさま」

「一花も。……おやすみなさい」

 伯睿は一花を抱き込んで、額に唇を寄せる。

(一花と少しでも多くの時間を一緒に過ごしたかった――けれど、実際には全く一緒に過ごせなかったな)

「寂しい思いをさせてしまって、ごめん――」

 一花の顔にかかる髪を、彼女の耳にかける。
 腕の中からは、スースーと安心したような寝息が聞こえていた。
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