御曹司のとろ甘な独占愛
 一旦ホテルへ戻ると、伯睿が呼んだプロフェッショナル達によってヘアメイクを整えられる。
 伯睿が一花のために特注で仕立ててくれた、セレモニーに相応しいイブニングドレスは、一花の肌に吸い付くほどぴったりだった。

「一花様、とってもお似合いでございます」

 スーツを着た女性スタッフ達が微笑みを浮かべ、一花のドレスの裾を整えた。
 優美な可愛らしさというのだろうか。淡く優しい色合いのエメラルドグリーンが華やかなAラインのイブニングドレスは、花や蕾を描いた刺繍が施されたレースが足元まで広がっている。
 ストレートビスチェの胸元には、同じく刺繍の施されたレースが首元まで重ねられ、高貴な印象を与えていた。

「まるでお城にいるみたい……」

 鏡の前に映った自分の様子と、インペリアルスイートルームの雰囲気も相まって、一花は夢心地で伯睿を見上げる。

 優雅なタキシードを身に纏った伯睿は、いつもの何倍も秀麗な美貌に磨きがかかり、誰もが息をのむほど美しかった。
 一花はときめく胸の前できゅっと手を握る。
 あまりの格好良さに、時間を忘れるようにぽーっと見惚れてしまった。

 そんな一花を伯睿が抱き寄せる。
 ちゅっとリップ音を立てながら、額に軽くキスをした。

「わっ! こ、こんな、皆さんの前で……っ」

 突然のキスに、一花は目元を薔薇色に染め上げた。
 恥ずかしそうに伯睿を見上げながら、キスの余韻が残る額を手のひらで隠す。
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